アラームで目が覚めたのはスウェーデン時間の4時。
実はどうしても見たいものがあり、この時間にアラームをセットしていました。
どうしても見たかったもの、それがヘルシンキへ向かうシリヤラインから望む、日の出です。
夜中ということもあり船内は静かで、ナイトクラブを含めほとんどのお店が閉まっています。しかし、エレベーターホールにはまだ若者がお酒を飲みながら喋っていました。最上階のデッキに出ると8月とはいえやはり寒く、吹きつける海風は冷たい。この寒いデッキには、さすがに若者もいません。考えていた以上の寒さに一度部屋に戻り、上着を羽織って再度デッキへ向かいました。
しばし待っていると、水平線がほんのり明るくなってきました。少し前方にはバイキングラインの船が同じくヘルシンキを目指して航行中でした。
空全体が雲に覆われていましたが、水平線付近の隙間から太陽が見えてきそうです。
この後、一人の男性がデッキにやってきました。
「何を撮っているんだい?」
「日の出を」
そんな会話から話がはずみ、デッキで話し込むことに。
彼の名前はハンス。
スウェーデンで画家をしているそうです。
ヘルシンキにいる彼女に会いに行くんだとか。
そしてまた一人。
彼の名前は聞かなかったのですが、ヘビメタバンドのドラマーだそうです。
ちょっと怖そうな雰囲気なのですが、アニメやマンガが好きで、日本のアニメ「銀牙 -流れ星 銀-」が子どもの頃から大好きだったと教えてくれました。
と、誰かがふらふら歩いてやってきました。
明らかに酔っ払いで、絡まれるのかと思いきや、持っていたビニール袋からお酒を配って去っていきました。
ずっとデッキにいたので寒かったのですが、素晴らしい日の出と、不思議な出逢いを体験することができました。
ただやはり船内に現地の若者が夜通しで喋っていることもありますし、酔っ払いも多いので、深夜に人気のないところに行くのは(女性なら特に)お勧めしません。現にデッキには酔った人が割ったと思われるお酒の瓶が散見されましたし、部屋からデッキに出てまた部屋に戻るまで船のスタッフには一度も会うことはありませんでしたので。
最後に、シリヤラインの化粧煙突とアザラシ君越しの日の出写真を。